血液検査と超音波検査が組み合わされた任意の簡易な検査
- 簡易な出生前診断スクリーニング検査と
- 更に異常について精密で正確に調べることができる出生前診断
のそれぞれの詳細について妊娠のステージに分けて説明していきます。
米国では妊娠期間を、最終月経の1日目からの40週を三つのステージに分けます。第1期(ファースト・トリメスター)が1週目から12週、第2期(セカンド・トリメスター)は13週目から27週、第3期(サード・トリメスター)を28週目から出産時とします。
まず、ほとんどの妊婦は、少なくともリスクを伴う出生前診断実施に進む前に簡易な出生前診断スクリーニング検査を行います。
妊娠第1期:ファースト・トリメスターの出生前診断スクリーニングは、2種の検査がペアになっており、血液検査と超音波検査が組み合わされた任意の簡易な検査です。
血液検査は特定の染色体異常を確認することを目的としています。PAPP―A(Pregnancy Associated plasma protein A ;(胎盤で生成される妊娠の生化学的マーカーである妊娠関連血漿タンパク質A)とhCG(妊娠が成立すると分泌される糖タンパク質であるヒト絨毛性ゴナドトロピン)を検査し、リスクを査定していきます。この二つのホルモンは赤ちゃんによって作られ、母親の血流へと流れることから、母親の血液検査を行うことによって赤ちゃんの遺伝子異常のリスクを知ることが可能です。
この検査に加え、超音波により、NTと呼ばれる胎児項部透過像(nuchal translucency)検査、簡単に言うと赤ちゃんの首のむくみにより、染色体異常のリスクを検査します。21トリソミー症候群(ダウンシンドローム)、心臓疾患、を含む重要な赤ちゃんの遺伝子疾患を判別するために統合的に行われるものです。
この2種のペア検査結果と、妊婦の年齢とを併せて、21トリソミー症候群(ダウンシンドローム)と18トリソミー症候群(エドワーズシンドローム)のリスクを判定します。
この出生前診断スクリーニングは11週から14週の間に行われます。