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子宮頸がん について知っておくべきこと (2) ()

  1. 前癌状態を治療する
  2. 子宮頸がんを治療する
    ステージ (進行度合い)
    セカンドオピニオンを得る
    治療に向けて、、、
    治療を始める前に医師から説明を受けたい質問事項
    治療方法について
    手術
    手術を決定する前に医師から説明を受けたい質問事項
    放射線治療
    放射線治療を行う前に医師から説明を受けたい質問事項
    化学治療
    化学治療を行う前に医師から説明を受けたい質問事項
    バイオセラピィ (生物学的治療)
  3. 臨床試験とは?
  4. 治療の副作用
    手術
    放射線治療
    化学治療
    バイオセラピィ (生物学的治療)

7.前癌状態を治療する

子宮頸部に前癌状態が認められた場合、その治療方法は様々な要因によって決定されます。異常細胞の状態が軽度か重度か、将来子供を持つ事を希望しているか、年齢と健康状態、等が要因とされる一例です。

例えば、軽度の扁平上皮内病変 (Low-grade SIL) が認められ、異常個所を検査するための生検を行った時点で、問題部分を全て除去している場合は、定期的な子宮ガン検査は怠れませんが、更なる治療は必要ないでしょう。前癌状態の細胞の治療が必要な場合は、超低温手術 (凍らせる)、焼灼法 (焼く方法、または透熱療法とも呼ばれる)、またはレーザーを使用した手術により行われます。また、LEEPと呼ばれる高周波による切除術、または円錐切除術によって異常組織を取り除くこともあります。これらの治療後に、生理痛に似た鈍痛や、痛み、出血、または、水っぽいおりものが出る場合もあります。

子宮頸部の入り口に異常細胞が発見された場合、子宮摘出手術を行うことがあります。この手術は、将来、子供を望まない女性のケースに行われます。

8.子宮頸がんを治療する

ステージ (進行度合い)
どのような子宮頸がんの治療方法を選ぶかは、がんの場所や大きさ、進行度合い、患者の年齢と健康状態、その他、諸々の要因によります。ステージ (進行度合い) を知るために、癌が身体の他の器官に転移しているか、もし、転移している場合には、どの器官に影響を及ぼしているのかを注意深く診断する必要があります。

まず、血液検査と尿検査が行われます。麻酔を行い女性の生殖器管全体の検査を実施する場合もありますし、この検査を行う間に、膀胱鏡検査とS状結腸鏡検査を行うこともあります。膀胱鏡検査では、細く灯りがついている器具で膀胱を検査します。S状結腸鏡検査では、やはり灯りがついている器具で、直腸、大腸下部を検査します。子宮頸がんは膀胱、直腸、リンパ節、肺等に転移することがありえるため、X線検査等により、状況を確認する必要があります。静脈性腎盂造影と呼ばれる腎臓、膀胱の連続X線写真を撮る方法もあります。注腸造影法を利用して大小腸や直腸を調べることもあります。癌細胞を保有しているために膨らんでしまっているリンパ節を探すために、CTやCATスキャンを行うこともあります。他の器官を検査する方法として、超音波検査やMRIなどがあります。

セカンドオピニオンを取得する
治療を確定する前に、現在の診断が正確なものであるかを他の病理学者に見てもらうことと、現在の治療プランが最適なものであるかどうかも、もう一人の専門家に再考してもらうことを検討してみてください。セカンドオピニオンを得るための全工程には、2週間ほど余計に時間が必要かもしれませんが、このように時間を取る事が、決して、無駄ではないことを覚えておいてください。セカンドオピニオンを提供してくれる医師を探すにはいくつかの方法があります。

  • 多くの現担当医師が紹介してくれるでしょう
  • 米国癌センターによる紹介
  • 医療団体、サポートグループ、病院等による紹介

治療に向けて、、
多くの子宮頸がんの患者は、子宮頸がんとはいったいどのような病気か、そして、どのような治療方法の選択があるのかを把握し、今後の治療プランを医師と共に話し合うことを希望しています。

治療を始める前に医師から説明を受けたい質問事項

  • 現段階で、病気はどの程度進んでいるのか? (ステージ)
  • どのような治療方法が選択肢としてあるのか?
  • どの治療方法を勧めるか?それはなぜか?
  • その治療方法による成功率はどの程度なのか?
  • 臨床試験に参加できるか?
  • 可能治療方法の各々のリスクと副作用を教えて欲しい
  • 治療期間は?
  • 通常に生活するのに影響があるか?
  • 治療にかかる費用はだいたいどの程度か?
  • もし、治療をしない場合にはどうなるか?
  • 検診はどの程度の頻度で受ける必要があるか?

癌と診断されて、ショックを受けない人はいません。あまりの驚きと悲しみのため、医師に何を質問してよいかを、冷静に判断することは簡単ではありません。診察の際に質問する事項をまとめた質問リストを作り持参するようにしましょう。また、医師の返答を覚えておくために、メモを取りましょう。更に、録音することは可能かどうか医師に了解を得ることもひとつの方法です。そして、話し合いに参加してもらうため、またはノートをとってもらうため、または、単に傍で一緒に話を聞いてもらうために、家族の方、親しい友人に付き添ってもらうのも良いでしょう。

一度に必要とされる全ての質問をしなければならない、と焦る必要はありません。医師に説明してもらう時間をまた作ってもらえばよいのです。

治療方法について
子宮頸がんを治療する多くの場合、手術か、または放射線治療を行います。時には、化学治療、またはバイオセラピィ (生物学的治療) を行う場合もあります。通常、治療を行う際に医療チームがその患者のために組まれます。チームには、婦人科腫瘍専門医、放射線腫瘍専門医が含まれます。医師団は、ひとつの治療方法を選択することもありますし、またはひとつ以上の方法を組み合わせることもあります。新しい治療方法が導入された臨床試験 (調査・研究) に参加を希望することもできます。これらの研究は癌治療の向上のためにデザインされています。

手術
手術は、子宮頸部、または子宮頸部付近にある異常組織を取り除く局部的な治療法です。もし癌が、子宮頸部表面のみに存在する場合は、前癌状態のものを治療する方法と類似した方法で癌細胞を取り除くことができます。もし、病症が子宮頸部の表面より更に深く侵入していても子宮頸部以外に転移していない場合には、腫瘍のみを手術で取り除き、子宮や卵巣を温存する方法が多く採用されています。しかし転移が認められる場合は、子宮摘出手術が必要かもしれません。特に、将来、子供を持つ予定がない場合は、子宮摘出手術を行う場合もあります。この方法では、子宮頸部を含む全子宮を摘出します。卵巣とファロピオ管 (輸卵管) を併せてとる場合もあります。これに加えて、子宮周辺のリンパ節を取り、癌が他の器官に移転してないかを調べることもあります。

手術を決定する前に医師から説明を受けたい質問事項

  • どのような手術を行うのですか? 詳しく説明してください
  • 手術後、どのような症状がありえますか?
  • 手術後、痛みが発生した場合、どのような処置を考えていますか?
  • 手術後、通常の生活に戻るのにどの程度の時間がかかりますか?
  • この治療後、性生活にどのような影響があるでしょうか?

放射線治療
放射線治療 (放射線療法とも呼ぶ) は、高いエネルギーの放射線を利用して癌組織に照射し、癌細胞を死滅させ、その増長を止める方法です。放射線は手術や化学治療とともに癌の治療では主な治療法です。放射線治療は手術と同じく、癌とその周辺のみを治療する局所治療で、治療が必要な身体の箇所のみに放射線をあてることになります。つまり、身体の器官を摘出せずにもとのまま温存することができます。放射線治療は外部照射法と呼ばれる方法と、直接子宮頸部に照射する腔内照射または組織内照射とも呼ばれる小線源照射法があります。両方の照射法を受ける患者もいます。

外部照射法はクリニックで行われます。通常、この治療は週に5日、5~6週間続けられます。

小線源照射法では、放射線の出るカプセルを直接、子宮頸部に挿入する方法です。このカプセルは通常、1日から3日、挿入したままにし、1週間から2週間ほどの期間中、この治療を数回繰り返します。

放射線治療を行う前に医師から説明を受けたい質問事項

  • この治療の目的は何でしょうか?
  • どのように放射線を当てますか?
  • 治療の期間はどのくらいになりますか?
  • 治療を受けている期間、体調は不調になるのでしょうか? どのような副作用を予期すべきですか?
  • 治療を受けている期間中、どのようなことに気をつけなければなりませんか?
  • 治療を受けている期間中、通常の生活はできますか?
  • この治療は性生活にどのような影響を及ぼしますか?

化学治療
化学治療は癌細胞を死滅させる薬を使用します。この治療方法は、子宮頸がんが、身体の他の部分にも転移している場合に最も適応されます。一種類の薬を使用する場合もあれば、一種類以上の薬を組み合わせる場合もあります。

子宮頸がんを治療する抗癌剤は、大抵、静脈からか、または口腔から投与されます。どちらの投与方法にしても、化学治療は薬が血流により身体全体に廻る全身療法です。

化学治療は、周期的に行われる治療です。ほとんどの患者がこの治療を外来で受けています。

化学治療を行う前に医師から説明を受けたい質問事項

  • この治療の目的は何でしょうか?
  • どのような薬を投与されるのでしょうか?
  • 副作用はありますか? その副作用に対しても対処方法を教えてください
  • 治療の期間はどのくらいになりますか?

バイオセラピィ (生物学的治療)
バイオセラピィ (生物学的治療) は、病気と闘うために身体の免疫組織を強化する治療です。

この治療方法は、子宮頸がんが、身体の他の部分にも転移している場合に適応されます。インターフェロンは、子宮頸がんを治療する場合のバイオセラピィで最も使用されている物質です。化学治療とともに組み合わされる場合もあります。インターフェロンを投与される患者は大抵外来での治療となります。

9.臨床試験とは?

臨床試験を通して子宮頸がんを治療することを希望する患者もいます。臨床試験は、新しい治療が安全で効果的であるかを検証するため、また科学的な疑問を解決するために行われます。このような研究に参加する患者は、見込みがある治療を受ける最初の患者となります。臨床試験の実施方法は、数名が新しい薬を投与されている間に、他の数名が従来の薬を投与されることにより、各々の薬の比較を行います。臨床試験に参加することにより、医療化学に偉大な貢献をしていると同時に、改善された方法から恩恵を受ける最初の患者になりえます。

子宮頸がんのための新しい治療の臨床試験は進行中です。例えば、新たな放射線治療の種類が研究されています。また、新しい薬について、ひとつの薬と別の薬の組み合わせについて、ひとつ以上の治療方法の効果的な組み合わせについての研究も進めています。

10.治療の副作用

治療の効果を、癌細胞を除去したり、死滅させることのみに限定して発揮させることは大変難しいことです。治療することにより、健康な細胞や組織まで痛めるため、不愉快な副作用を避けることは大変難しいのです。

癌治療の副作用は、治療のタイプや治療の程度によります。また、それぞれの患者により反応は違います。医師や看護婦は、どのような副作用が出る可能性があるか、また、その副作用にどのように対処して不快を緩和するかを説明してくれるはずです。副作用が出た場合は、すぐに医師に連絡しましょう。

手術
子宮頸部の小さな癌を除去したり死滅させたりする方法は、前述した前癌状態を治療する方法とほぼ同様の方法を使用します。治療後、生理痛に似た鈍痛や、痛み、出血、または、水っぽいおりものが出る場合もあります。

子宮摘出術は、大掛かりな手術です。手術後数日は腹部下部に痛みを感じるでしょう。痛み止めを処方してもらいましょう。尿の排出が難しいため、手術後数日は膀胱にカテーテルを入れ、尿を排出する必要があるかもしれません。また、大便の排泄も簡単ではないかもしれません。術後、しばらくの間、回復のために、身体を休ませ、動くことを控えましょう。性交を含めた通常の生活に戻るには手術後4週間から8週間みるべきでしょう。

子宮を手術で取り除いた女性は、そのあと生理がありません。しかし、通常は性行為に対する欲求や性行為を行う能力が子宮摘出術によって影響しないことがわかっています。一方で、子宮摘出術を行った後、精神的に、事実を受け止めることが簡単ではない、と多くの患者は感じています。性に対する考え方が変わったり、子供が出来ないという事実から精神的に空虚な気持ちを味わう場合もあるようです。このような時期のパートナーの精神的なサポートは何よりも大事です。また、医師、看護師、医療関係ソシアルワーカーに話をしてみましょう。

放射線治療
放射線治療を受けている患者は、非常に疲れがちになるのが普通です。特に治療期間の終了時期に近づけば近づくほど、体調は思わしくなくなり、毎日を気持ちよく過ごすことが難しくなるでしょう。身体を休めることが最も大事ではある反面、医師は、なるべく以前同様の普通の生活をするように勧めます。これは精神的に患者を助けるもので、覇気を持たせることを目的としています。

外部照射法により、照射される部分の毛が抜け落ちたり、その部分の皮膚が赤く乾燥し、虚弱になりその結果、痒くなったりします。治療する皮膚部分が、永遠に黒ずんだりする可能性はあります。なるべく皮膚を空気に触れるようにした方がいいとされていますが、日光にあたらない様に気をつけましょう。また、摩擦や刺激する可能性のある服の着用も気をつけてください。医師のアドバイスなしに、軟膏やローションを使用するのは避けましょう。

通常、放射線治療を受けている期間は性交渉をしないようにとアドバイスされるはずです。放射線治療が終了した数週間後の性交渉は可能です。たまに、放射線治療のあと、膣が狭くなったりする場合があります。膣を拡張させる器具や潤滑剤を使用することによりこの問題が緩和されます。

放射線治療を受けている期間、下痢や、頻繁な尿意を催すことがあります。医師に相談して薬を処方してもらいましょう。

化学治療
化学治療の副作用は、薬のタイプや量によります。また、他の治療方法と同様に、それぞれの患者により反応は違います。通常、抗癌剤は、細胞の分裂を早めます。細胞は、感染と戦かったり、血液が凝固するのを助けたり、体中に空気を運ぶ働きをする血液細胞も含みます。抗癌剤が血液細胞に作用し始めると、患者は、感染しやすくなったり、出血しやすくなったり、痣ができやすくなったりします。また、疲れやすくなります。また、毛根の細胞にも影響し、脱毛が起きます。これ以外の副作用として、食欲の減退、吐き気、喉の渇き等があります。医師は副作用を緩和する薬を処方してくれるはずです。化学治療後、回復期には、次第に副作用はなくなってきます。

バイオセラピィ (生物学的治療)
バイオセラピィ (生物学的治療) の副作用は、どのタイプの治療を受けているかにより変わってきます。この治療の副作用は、風邪に似た症状です。例えば、寒気、発熱、筋肉痛、食欲の減退、疲れ、吐き気、下痢、等です。また、発疹することや、出血、そして、痣が出来やすくなる場合もあります。これらの症状はかなりひどい場合もありますが、治療が終了し次第、次第によくなります。