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乳癌に立ち向かう女性のために (2) ()

あなたと医師団はチームです。

  1. -1. あなたはチームの一員です
  2. -2. あなたを支える専門家、専門医たち
    放射線技師
    放射線医
    腫瘍医 (癌治療を専門とした医師)
    外科医
    -腫瘍内科医 (Medical Oncologist )
    -腫瘍外科医 (Surgical Oncologist)
    -腫瘍放射線医 (Radiation Oncologist)
    病理学者
    腫瘍専門看護師
    腫瘍専門ソシアルワーカー
    ケースマネージャー
    乳腺スペシャリスト
  3. -3. あなたのパートナーである医療チームと話しましょう
  4. -4. セカンドオピニオンを得ましょう

2-1.あなたはチームの一員です。

どう健康を管理しているかはそれぞれ違います。乳癌を患ってしまった場合、自分の病気やその治療に関してすべてを知りたいとする女性もいれば、知りたくないと希望する女性もいます。医師が勧めるどんな治療に関しても異議なく受け入れる女性もいれば、すべての方法を網羅し考慮したい女性もいます。また、どんな決断をするにも、セカンドオピニオンを聞いてからでないと決断をしない、という女性もいます。

どのような道を取ろうとも、あなた自身が、あなたの治療を決めるチームの一員であることを覚えていてください。あなたの乳房の健康への道をあなたと歩む医師、医療関係者たちを信頼できるかどうかは、大切です。あなたは、長期間 ・ 短期間においてのあなたの診断、治療、可能性のある結果、あり得る副作用に関してのすべてを知る権利があります。

また、繊細な心遣いをもって、治療される権利があります。すべての医師を含む医療関係者は、あなたの懸念に耳を傾け、あなたのすべての質問に答える十分な時間を設けるべきです。

すでにあなたがお気づきのように、全ての医療関係者が患者の立場に立って、繊細な心遣いをもって患者と接しているとは言えません。コミュニケーションに長けていない人もいますし、多くの医療関係者は、 「彼ら自身が当然のように毎日使っている専門用語 ・ 医療方法 ・ 機械は、患者にとっては目新しく、そして、脅威にも感じる、」 というこを忘れてしまっているのです。

この問題を解決する方法はあります。まず、多くの専門家、専門医がどのような専門の役割を担っているか把握する必要があります。

2-2. あなたを支える専門家、専門医たち

放射線技師
乳房の問題があり 40歳以上ならば、放射線技師が、まず最初にあなたが会う専門家になるでしょう。なぜならマンモグラフィ (乳房X線写真) を行う必要があるからです。放射線技師は、医師ではありません。放射線技師とは、X線写真を撮るために患者を正しい位置に定め、フィルムを入れ画像を撮り、質の高い画像を現像し、画像機が正しく動いているかを検査することを専門にトレーニングされた人を指します。この乳房X線写真を撮る用の機械は、そのためだけに作られているため、この機械専門にトレーニングを受けている必要があります。その現像されたフィルムは、放射線専門医に廻されます。

放射線医
放射線医は、医師になるための教育に加え、特別にX線写真を読みとり、異常を診断するトレーニングを受けています。

腫瘍医 (癌治療を専門とした医師)
腫瘍医は、医師になるための教育に加え、癌を専門とした教育・トレーニングを特別に受けています。腫瘍医は患者を担当する分野によって、腫瘍内科医 (Medical Oncologist )、腫瘍外科医 (Surgical Oncologist)、腫瘍放射線医 (Radiation Oncologist)の3分野に分かれています。腫瘍外科医は、手術を担当し、腫瘍内科医 が、治療の概要とキモセラピーと呼ばれる化学療法を担当し、腫瘍放射線医が、放射線を使用し癌治療を行う放射線療法を担当します。腫瘍内科医は、通常、人間が身体内で作る生成物も癌治療に使用する場合があります。免疫治療と呼ばれるもので、インターフェロン等の生成物などが代表的なものです。腫瘍内科医と腫瘍放射線医は複雑なケースの治療にはチームとなって動きます。

外科医
外科医は乳房のしこりや腫瘍を取り除く、といった手術を行う医師です。形成外科医は専門として先天性欠損症や、傷害や病気からの欠損を治療する医師を指します。形成外科医は、乳房再建術も行います。

病理学者
病理学者は身体の組織や体液を調べることによって病気を見分け特定します。取り出された乳房のしこりを調べることにより、良性か悪性かを識別します。

腫瘍専門看護師
腫瘍専門看護師は、看護師 (米国では、レジスーター・ナース (RN) と呼ばれています) の資格をとった後、癌患者を治療するための資格のための特別な専門化されたトレーニングを受けています。注射、静脈内滴注、または他の方法にて、薬を患者に与える役割はこの腫瘍専門看護師が担います。また、腫瘍専門看護師の中にはナースプラクティショナーと呼ばれる臨床専門看護婦が、腫瘍専門看護師の役割に加えて癌を診断し治療も行います。例えば、乳房触診や子宮頸癌のための検査なども腫瘍専門看護師が行い、処方箋も書くことが出来ます。

腫瘍専門ソシアルワーカー
腫瘍専門ソシアルワーカーとは、ソシアルワーク (福祉関連の社会事業、また、貧困者や飛行者に対する援助や調査を行う人) 専門の学位 (通常は修士) を持っています。彼らはカウンセリング、精神的サポート、社会事業団体等との橋渡しなどの医療外の問題についてサポートします。例えば、治療を受ける癌センターが自宅から遠い場合など、患者やその家族が滞在する場所を探すことをお手伝いします。

ケースマネージャー
どんな団体、グループにも監督・管理する機能がありますが、癌治療においては、ケースマネージャーがその役割を担います。医療ケアのシステムでもケースマネージャーをおくというのは新しい機能のため、どこの医療団体・病院にでも普及しているわけではありません。ケースマネージャーは、担当患者のケースに関する全てのことを把握している必要があります。患者が必要とするすべてのサービスをアレンジし、また、患者が質問がある場合は、患者がその答えを得れるように全力を尽くします。多くのマネージャーは看護師です。

乳腺スペシャリスト
特に、乳腺スペシャリストという職業やポジションはなく、乳腺スペシャリスト、という人がいるわけではなく、特定の外科医や医師が、乳腺スペシャリスト、と呼ばれているのです。なぜなら、彼らが乳房の健康のための仕事に従事しているからです。そして、特別な知識を保持しています。しかしながらメディカルスクール (医師になる為専門の米国の専門大学院) では乳腺ケアについて教えていません。

2-3. あなたのパートナーである医療チームと話しましょう

多くの人は医療関係者と話すことがあまり得意ではありません。特に、話したいと思っている医師が忙しそうにしていたり不機嫌だった場合は更に戸惑ってしまうこともしばしばあります。乳癌と診断され自分自身が不安になっているときにはなお更でしょう。

癌治療チームが存在することのひとつの利点は、ケースマネージャーがこの問題を対処するのを助けてくれることです。ケースマネージャーはあなたが感じている不安を聞き、あなたが理解できない医療用語を説明し、今後どう治療を進めていくかをあなたと一緒に時間をかけて全面的にサポートしていきます。

もし、公式にケースマネージャーが割り当てられない場合には、手を貸してくれそうな人を医療チームのなかで探してみましょう。そして、あなたが彼 (彼女) を必要としていることを話してみましょう。

もし、あなたがあなたの癌治療に関わる専門家のなかの一人に不満を感じたとしたら、いかなる理由があるにしても、他の、その人に代わる専門家を探すべきです。

多くの癌医療関係者は、癌患者をケアするという、より大変な仕事に従事するだけの気持ちとキャパシティをもっているからこそ、癌医療に携わっていると言えます。あなたが、癌と戦って大変だった時期のことを思い出したときに、必ず、あなたと一緒に戦ってくれた幾人かの医療関係者が思い出されるでしょう。

ノートを取る
医師との診察、もしくは治療に病院に行くたびにノートを持参しましょう。問題点を書き残しておきましょう。いつからその問題が始まったか、どのくらい続いたか、痛みを伴ったか、などです。

どのようなことを言われたか、をノートに残しておくことも大切です。書き残すことによって、覚えておくべきことを全て追跡することが出来ます。薬品の名前、量も書いておきましょう。飲むことを止めた薬も、書き留めておきましょう。指示されたこと、また、他の思い当たった質問も書き残しておくと良いでしょう。

テープレコーダーも有益な道具です。ほとんどの医療関係者は、患者がテープレコーダーを使うことに対して全く問題がありませんが、使うまでに断りを入れるのは礼儀と言えます。

疑問があれば質問する
「なにかわからないこと」、「理解できないこと」 があった場合には、恥ずかしがったり怖がったりせず、説明を求めましょう。あなたには、自分の体に何が起きているか、その特定の治療方法が勧められているのかを知る権利があります。きちんと事実を理解することは、最適な治療選択の助けになるでしょう。

信頼できる友人を連れていく
信頼できる友人、家族に、病院に一緒に病院に行ってもらうのも助けになる場合もあります。付き添ってもらうことにより、

何を医療関係者から言われたか
聞くべき質問を思い出させる
言われたことをあとで思い起こす
ことを話し合うことができます。

2-4. セカンドオピニオンを得ましょう

検査結果や治療選択について担当医師以外の他の医師の意見・見解を聞くことも大切です。他の医師からセカンドオピニオン (意見を聞く) を得ることは、侮辱していることでも、失礼なことでもありません。良い医師は、他の専門家の意見を聞くことは歓迎するものです。