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乳がんを知る(5)最新検査 早期発見のマンモグラフィーの新技術 ()

10月は乳がんと戦う月でした。10月中、アメリカのメディアで語られた乳がんの情報をまとめていきます

早期発見の新血液生体検査に加え新マモ技術

前回、乳がん情報(4)にて、ニューヨークで血液の生体検査による早期に乳がんの再発を発見できる新検査について報告したが、この方法に加え、新しいマンモグラフィーの技術が2021年ころから導入されてきている。

新しい技術であるヨウ素化静脈造影剤使用の造影マンモグラフィー、Contrast-enhanced mammography (CEM) は、通常のマンモグラフィーを行う前に色の溶液を静脈に注入する方法で、現在の一般マンモグラフィーと組み合わせて使用する造影技術である。この技術は、一般に使用されているマンモグラフィーでみつけられないがんを、更に早く発見することができるもので、新しく乳がんの検査を受ける患者、及び、現在、乳がんのための化学治療を行っていて手術をする前に行う検査に使用される。女性が、自身で、胸に塊を感知する以前、または、通常のマンモグラフィーががんを示すことができる以前に、この方法でがんが早期発見できるという。世界中で次第にアクセス可能になってきており、患者側はリクエストでき、より早くに乳がんを発見できる環境になってきている、とニューヨークのスローンケタリングのドクターマキシン・ジョセルソン乳がんイメージセンター長(Dr.Maxine Jochelson)は語る。

<方法> 通常のマンモグラフィーを行う直前に色の溶液を腕の静脈に注入する。注入後、患者は体中に暖かい感覚を覚え、トイレに行きたい衝動に駆られ、金属的な味を口内に感じる。注入後、2分ほどで施術が開始される。がんは通常、より多くの血管と漏出血管を正常組織と比較してもちあわせており、造影剤が白く表示される。正常な組織や良性の病変は暗く表示される。当方法は、通常のマンモグラフィーや高画質のデジタル断層X線技術であるトモシンセシスよりがんをより明確に表示することができる。MRIとほぼ同じ発見率で、MRIよりコストが安い。時間的にも検査に30分を要するMRIと比較し10分程度で終了する。

<リスク> 腎臓機能が悪い女性やヨウ素造影剤に反応があったことがある患者は当方法は避けるべきである。また、60歳以上、糖尿病歴、高血圧、家族に腎臓病患者がいる場合は、当検査が行われる前に簡易な血液によるチェックが行われるべきである。

癌からの生存率は、早期発見に依存する。早期発見により、治療により癌からの寛解の可能性を上げることができる新しい検査方法が出現してきている。