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10月は乳がんと戦う月(4) 米にて乳がん再発早期発見の新検査発現 ()

10月は乳がんと戦う月でした。10月中、アメリカのメディアで語られた乳がんの情報をまとめていきます

乳がん早期発見が可能な簡易血液生体検査発現

乳がんは現在、米国の女性において最も多いがんのひとつで、2023年には300,000件の新しいケースの診

ニューヨークの大手大学病院であるウェイル・コーネルで乳がんを正確にみつけることができるとした血液の生体検査を開始するとニューヨーク発信のニューヨークニュースが10月末に発表した。この新しい血液生体検査は、従来の検査より正確に、そして、早期に乳がんの再発を発見できるとしている。この血液の生体検査とは、血中の微量の腫瘍 DNA を特定するという仕組みである。

癌からの生存率は、早期発見に依存する。早期発見が、治療により癌からの寛解の可能性を上げることができるからである。

ウェイル・コーネル病院の乳がん腫瘍部門ヘッドであるクリストファニリ医師(Dr. Massimo Cristofanilli)先導により、従来は乳がんの化学治療を終えた患者は3か月後のフォローアップにてマンモグラフィーが行われていたものを再発をより早期に発見する当方法、血中の微量の腫瘍 DNA を特定する血液による生体検査が導入され始めようとしている。

この方法が以前のマンモグラフィーより優れている点は、簡易な血液検査によって、早期に、つまり、非常に小さく伝統的な検査法では見えない可能性がありえるがん細胞を正確にみつけだしてくること可能、という画期的な方法である。

ニューヨークのもう一つの大手であるニューヨーク大学病院でも同様に当方法が臨床試験で試されている。体内のどこかで腫瘍DNAがある場合、この血液生体検査はそれを特定できると乳がん臨床研究ヘッドであるチャン博士もテレビで発言している。現在、臨床試験によるとこの方法は乳がん再発と肺がんに対して正確な結果を出している、と言う。

これほど小さいレベルのがん細胞をみつけることができれば初期中の初期で治療開始が可能、つまり、寛解も早く簡単であることを示す。ステージ1以前のステージ0に近い状態でがんをみつけ出すことが可能になれば、非常につらい化学治療の期間や薬の量も軽減できる。

当方法は、現在、乳がん再発のみに有効であることが分かっているが、初めての乳がんの診断がなされる場合も有効かどうかの臨床試験の参加者をウェイル・コーネル病院が応募している。

どのように当方法を導入し、他のがんも含め利用できるかが今後の課題となる。医学はどんどん進歩する。関係者は、将来、当方法論が早期乳がんスクリーニングに使用されるようになることを期待している。

我々は、今、次世代のために努力している、と感じさせる、嬉しいニュースであった。