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10月は乳がんと戦う月(3) 男性の乳がん、気後れから診断が遅れる ()

10月は乳がんと戦う月でした。10月中、アメリカのメディアで語られた乳がんの情報をまとめていきます

男性でもあり得る乳がん、気後れから診断が遅滞

乳がんは現在、米国の女性において最も多いがんのひとつで、2023年には300,000件の新しいケースの診断があるといわれている。乳がんと言うと、女性患者を思うが、男性でも発症があり得、米国癌協会は去年、2022 年において男性の乳がんの3,000 件ほどの症例が報告されている。つまり、男性の乳がん発症は全体の1%くらいにあたる。

米国では2022年に報告された約3,000人の男性乳がん症例のうち、500人以上が死亡が記録されている。男性の乳がんに対する意識を改善し、早期発見の重要性を普及させることによりこの数字は改善する、と言われている。

この背景には、乳がんは女性の疾患である、という認識や、乳房に関して診察を行うという気後れ、恥かしさが背景にあり、診察へ行くことが遅れるという事実がある。男性の場合、しこり、乳房からの分泌物、皮膚の外観の変化まなどの乳房組織に異常な変化がなどが兆候と考えられる。

男性のリスク要因としては、

1)家族・親族の乳がんの歴史 これは女性同様で、家族に乳がんの歴史がある場合、そして、家族からBRCA1、もしくは、BRCA2 遺伝子変異が認められる場合。BRCA1、もしくは、BRCA2 遺伝子変異は全人口の0.25%に認められる。

2)年齢  年齢が上がるにしたがって、がんの発症率があがり、男性の乳がんの平均年齢は72歳。

3)他のがんに対する放射線治療による影響  他のがんに対しての治療で、放射線が使用された場合、特に、食道がん、リンパ腫、肺がんなど、胸付近のがん治療が影響し、乳がんのリスクが高まる。

4)アルコール中毒と肥満

5)クラインフェルター症候群  クラインフェルター症候群を持つ男性は、乳がんに罹患する確率が男性の一般平均より20倍高くなる。

早期発見が女性同様、重要であるため、異常な兆候が見られたらすぐに医療専門家に相談が必要である。