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10月は乳がんと戦う月(2) 乳がんリスクがある人とは ()

10月は乳がんと戦う月でした。10月中、アメリカのメディアで語られた乳がんの情報をまとめていきます

乳がんの予防は可能か

1985年から10月は乳がんと戦う月とされ、10月中は多く乳がんについて語られているが、米国予防医学専門員会(United States Preventive Services Task Force)もマンモグラフィーによる検査の推奨年齢に関して試行錯誤があった。2009年以前は40歳からの推奨であったものを50歳からに変更したが、再度、この2023年5月にその基準を40歳に戻した。早期発見が命を救う最も重要な要因だからである。

現在、米国がん協会(The American Cancer Society) は、一般的には40歳で検診を開始することを推奨しているが、親族・家族に乳がん歴がある場合や、乳がん発生のリスクを高まるとわかっている遺伝子変異がある場合はそれより10年早い30代から検査を開始することを推奨している。

BRCA遺伝子の異変

では、この乳がん発生リスクがリンクされている遺伝子変異とは何か?

これは、例えば、BRCA遺伝子の異変を指す。BRCA 遺伝子の特定の変異により、細胞が急速に分裂し、変化を催し、がんの発生の可能性を上昇させる。このBRCA遺伝子の異変は乳がんと卵巣がんの発生とのリンクがわかっている。

すべての女性が、BRCA1、及び、 BRCA2 遺伝子を保持しているが、一部の女性が当遺伝子に変異が見られる。米国においては約 500 人中1人の割合でBRCA1 遺伝子、もしくは、 BRCA2 遺伝子に変異が見られるとわかっている。母親、または父親のいずれかがどちらかの遺伝子において、変異を持つ場合は、その子も同遺伝子変異を持つ可能性が 50% あることになる。BRCA1 、もしくは、BRCA2 遺伝子変異を持つすべての女性が乳がんや卵巣がんに罹患しないが、リスクが高いことがわかっている。また、乳がんに罹患する患者が、すべて当遺伝子異変があり発症しているわけではない。つまり、親族、家族で乳がんの歴史がある場合(例えば、母親が乳がんの歴史がある場合)、乳がんの患者に対する当遺伝子変異の検査で変異が認めらなくても(乳がんの母親は当遺伝子異変を持っていなくても)、子は、当遺伝子異変の検査を一応行うことも必要であると同時に、変異がないと確認されても、家系からのリスクが高い事実から検査を定期的に行うことが重要である。

BRCAの遺伝子変異を持っているかどうかの検査は簡易に行える。米国では、BRCAの遺伝子異変に該当しなくても明らかに家系遺伝的に乳がんに罹患しているケースが多くあり、いまだに発見されていないDNA遺伝子異変があるとされている。

重要な点は、親族・家族で乳がんの歴史がある場合、BRCAの遺伝子変異の有無について検査をし自分の体に対し予備知識を得ることと、30代からマンモグラフィーの検査を毎年行うことが早期発見、そして、命を救う鍵である。