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<代理出産リポート17>
代理出産の歴史(12)タイ軍、代理出産病院捜査へ ()

2013年にインドがほぼ代理出産の扉を閉じたことにより、多くの斡旋(あっせん)会社や外国人依頼者が、生殖医療に関する法的規制がなかったタイへ地を移したあと、2014年5月にプラユット陸軍総司令官の指揮によるクーデターによりタイが軍(Junta)により支配され、代理出産の取り締まりに着手、7月24日にバンコクの12の生殖医療クリニックの踏み込み調査を指令したことをお伝えしました。

タイを新しく支配した軍の踏み込みの7月24日のニュースにより、欧米、オーストラリアの代理出産業界に戦慄が駆け巡りました。多くのエージェントがタイを利用していたからです。7月25日の午前中も、米国では数分ごとに情報が行き交い、米代理母業界の首脳による電話コンファレンスが行なわれました。筆者(さくらライフセイブアソシエイツ代表)は、代理出産ビジネスの合法性が不透明なタイでの代理母コンサルテーションは一切行っていなかったながらも東海岸朝10時のコンファレンスコールへの参加を要請され参加しました。この時点で、多くのタイの代理母出産関係のクリニックのホームページが閉鎖されており、すべての関係者が情報収集に奔走しました。筆者は、実際、タイでの代理出産に関わるコンサルテーションは行っていなかったことから動きが取れなくなるクライアントは存在しなかったので、7月25日の時点では、状況把握・確認を見守ることとし、弊社のホームページでの情報提供を当情報開示を控えていましたが、誤った情報の流布の存在や情報の欠乏から、多くの日本人の依頼者や日本のメディアから依頼、要請され、できる限りの情報をメディアと共有して発信を開始しました。

この踏み込み調査の約1週間後に、ダウン症のグラミーちゃん問題と邦人の代理出産からの多数の乳幼児が生まれていたことが発覚しましたが、タイの軍政府の許されていない商業代理母の取り締まりは、この二つの事件以前に、始まっていたというのが事実です。

(次回は5月第1週号掲載)

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当文献は創刊45周年を迎えるニューヨークの日本語新聞New York ビズ 2020年4月4日に掲載されました

代理出産の歴史(12)タイの二つの著名な事件前に起こった軍による踏み込み調査