速報 ウクライナの代理出産、戦場キエフから情報(1) 2022年3月4日現在
代理母が使用している産院らは通常通りあいている!
2022年2月24日にロシアがウクライナに軍事進攻を開始してから、国連によると本日3月4日未明の時点で過去7日間で110万人のウクライナ人がウクライナから逃げたと発表されているが、攻撃の2日目であった25日の時点で、ロシアが一番の標的とするVolodymyr Zelenskyy(ウォロディミル・ゼレンスキー)ウクライナ大統領が指揮の為に留まっている大統領府が位置するウクライナの首都キエフから多くのキエフ住民がまず国内でウクライナ西部に避難のために移動した。その後もキエフ周辺、及び、キエフ中心部が徐々に攻撃され、キエフは悲惨な状態になっていることが報道されている中、ウクライナ(キエフ)の代理出産事情に通じている弊社に多くの問い合わせが入ってきている。
- 代理母たちは無事なのか?
- 差し迫った代理母たちの出産はどうなるのか?
- キエフの産院らは無事なのか?
- 多くのキエフ住民が逃げている中、産院は機能しているのか?
本日、3月4日に我々は平時は24時間開業している在キエフの代理出産が行われている産院のひとつにキエフ時間午前2時に電話を直接入れた。電話回線は正常通り繋がり、看護師の声が聞こえた。ほとんどの住民が逃げている戦争下、彼らはキエフに留まり、妊婦のケアを継続し、赤ちゃんの誕生をいつも通り待っていることを確認した。電話をした産院はキエフの以下に位置する。地図中の青い長方形の位置に多くの産院が存在する。赤い矢印が今回、連絡が取れた産院である。Гинекологическое отделение , телефон +38 044 528 82 77 産科 +38 044 528 82 77
弊社のロシア出身アメリカ人であるパートナー、ジェンヤ・イリーナ情報アナリストと産院のやり取りは以下の通り。
Jenya : “Добрый вечер”
Дежурная мед сестра гинекологического отделения: “здравствуйте “
ジェンヤ:「こんばんは」
看護師:「こんにちは」
Jenya : “я звоню из Америки. Хотела бы узнать если ваша больница работает и принимает пациентов , так как у одной из сурогатных матерей в Украине скоро подходит срок родов и ей надо рожать в вашем мед центре.”
Дежурная мед сестра: ” да наше отделение открыто и мы продолжаем работать”
ジェンヤ:「アメリカから電話をかけています。ウクライナの代理母の出産が近く、あなたの産院で出産を予定している場合、あなたの病院が機能していて患者を受け入れているかどうか知りたいのでご連絡しています。」
看護師:「はい、私たちの部門は開いており、私たちは働き続けています」
Jenya:” Вы открыты и нет проблем?
Дежурная мед сестра: ” проблемы есть и много”
ジェンヤ:「病院は開いているということですが、問題はありませんか?」
看護師:「多くの問題だらけです」
Jenya :” Большое спасибо за информацию и всего вам хорошего, досвидание”
ジェンヤ:「情報をありがとうございました。さようなら。」
我々は戦場の中、キエフの真夜中に平時同様に電話を受けてくれた看護婦に感謝し、感動した。赤ちゃんの誕生は戦争でも待ってくれない。戦場の中、医師も看護師も、産院ではいつも通り動いていることを報告したい。
医療コンサルタントの弊社は多くの方からのご要望に応え、2011年から代理出産のコンサルテーションを開始した。2013年までの3年間は、その年に外国人依頼の扉を閉じたインドで代理出産のコンサルテーションを提供し、20代から30代の数えきれないロキタンスキー症の患者様をはじめ、数十年お子さんを授かることを望んできた60代後半のクライアントに至るまで、双子を含む多くの赤ちゃんの誕生を迎えた。その後、現在に至るまでの12年間、世界中のクライアントからの依頼で、200人近い赤ちゃんの誕生を代理出産ケースから迎えている。
2013年にインドが代理出産の扉を閉めた時点で、複数の既存ケースを安全な場所へ移動させ、インドの代理出産を希望していた新規のケースに関しては他の地において対応する必要があったため、他の幾つかの国での代理出産プログラムと並行しながら、弊社を含む世界の代理出産専門グループが、商業代理出産自体はすでに合法であった未開のウクライナで、ウクライナの弁護士と協力し、初めて正式に系統的だった代理出産プログラムを当地において立ち上げ、2015年から2019年をかけ約30件のケースから赤ちゃんを迎えた。しかし、2014年から始まっていたロシアとウクライナの政治的緊張は常時懸念であり、両国の状況を睨みながらの代理出産プログラム運営であった。この緊張は全く解消されず、常に両国の関係は不安定な状況が続いていた。2019年にウォロディミル・ゼレンスキー氏が大統領に就任した時点に彼は「ロシアとの緊張を和らげ、ウクライナ東部のロシアとの国境地点に駐屯しているロシア軍隊を撤退させる」と平和を約束したものの、改善が見られなかった。このため、弊社は、当該国とロシアの関係がどうなるか分からない不安な状況を鑑みて、安全な代理出産の場所としてプログラムを継続できないと判断。ロシアとの完全な合意が確立し国境のロシア軍が完全撤退するまではウクライナでの代理出産コンサルテーションを2019年以降、中止する、という措置を取った。
政治的な状況、各国の国内の代理出産に対する法的措置など、多角的、総体的な判断を基盤に代理出産の依頼を進める必要がある、と、繰り返し発信してきたが、今、再度、専門的な眼で判断していくことが必要であることを強調したい。
弊社は米国36都市で配布されている大手日本語新聞、Weekly Bizで、現在に至るまで40回に亘り、代理出産についての文献を連載し、代理出産依頼には十分な知識と注意が必要であると警鐘を鳴らしてきた。合法とされ行われてきているロシアにおける代理出産も、プーチン大統領の信念と方針から乖離するとされ、禁止される方向性にあることも繰り返し書いてきている。世界で制限され難しくなってきている代理出産の依頼は、様々な観点から慎重に判断するべきなのだ。
世界代理出産ネットワークの弊社は世界の代理出産関係者と毎日連絡を取っている。現時点では、弊社のパートナーであったキエフ代理出産関連のプロフェッショナルらは全員キエフから移動し、ウクライナ西部(Lutsk市など)とポーランドへ避難し無事が確認されている。今まで赤ちゃんを授けてくれた代理母らの安否は残念ながら確認できていない。ウクライナの代理出産関連の速報が入り次第、更に報告を継続していきたい。
代理出産についてのご質問はこちらから
ジェンヤ・イリーナ情報アナリスト
ロシア出身アメリカ人
さくらライフセイブアソシエイツパートナー
清水直子
さくらライフセイブアソシエイツ代表
当文献、取材はジェンヤ・イリーナ情報アナリスト、さくらライフセイブアソシエツ代表清水直子によるものであり無断転載を禁ず。