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乳癌と闘う あなたは一人じゃない ()

米国からのメッセージ

2004年11月2日、火曜日に激戦と注目された大統領選投票が始まった。アメリカ中が、開票される結果を放映するテレビに真夜中を過ぎてもかじりついていた。2日夜から開票が始まり、11月3日、水曜日の未明、共和党のブッシュ現大統領が、民主党のケリー上院議員を僅差で破った。

大統領選のドラマに決着がついた3日の水曜日、民主党の大統領候補指名予備選挙でケリー上院議員と競い、次点につけ、さらに、2004年の大統領選においては、ケリー上院議員のラニングメイト (大統領候補と共に二人三脚で大統領選を戦う) であったジョン・エドワード議員の妻、エリザベス夫人が、彼女の人生のドラマを変える宣告をされた。乳癌だと言う。

4日の木曜、ニューヨークのローカルテレビチャンネル、NY1で、このニュースは公にされた。NY1によると、エリザベス夫人は先週、大統領選挙のための最後の追い込みキャンペーンをしている最中、右側の乳房のしこりに気づいたと言う。そして、すぐに検査に行き、穿針 (せんしん) 生検の結果、3日の水曜日、乳癌と診断されたと言う。進行度を調べるために、更なる検査が必要と言うことであるが、日本では診断されて間もない本人も事実を受け入れるのに時間がかかるプライベートの話を、次の日に公にすることは、ほとんど無いであろうが、米国においてこういったことが行われるのは、乳癌に対して、米国市民全てが乳癌と闘い、患者を応援する意識が確立しつつあるからである。ひとごとではなく、みんなで支援する環境が出来上がってきている。全米にこのニュースが流れているかは不明だが、間違いなくニューヨークは、彼女を応援している。

米国セレブリティからのメッセージ

最新号の11月1日発行のアメリカの大衆雑誌、「People」 でも、乳癌をメインテーマとして、大きく扱っている。以下、当記事から抜粋して、癌患者であるセレブリティのメッセージをお届けする。

テニスプロ、アガシの姉 Tami Agassi (タミ・アガシ)
2000年1月に乳癌と診断される。両方の乳房を除去。

両乳房を取ったことに、全く後悔はしていない。リスクをもたらす元はきれいに取り去りたかったから。癌は、誰が自分にとって大切な良い人か分からせてくれる。

歌手 Carly Simon (カーリー・サイモン)
1997年に乳癌と診断される。乳房切除術 (Mastectomy) と化学療法を受ける。

女性に言っておきたいのは、乳癌である事実を知らないことは、知っていること、ずっと恐ろしいこと。事実を早くに知って、対処しなさい。

Rosie O’Donnell (ロジー・オドニール)
アメリカでショーのホストやプレゼンテーターで著名。

覚えておかなければならないルールは、あなたのお母さんが乳癌と診断された年齢から 10歳引いた年にあなたが達したときから、必ずマンモグラフィを始めなさい。

女優 Lynn Redgrave (リン・レドグレイブ)
2002年12月、乳癌と診断され乳房切除術 (Mastectomy)、化学療法、脱毛を経験。乳房再建術を断り、数ヶ月前クロアチアのヌーディストビーチで日焼けを楽しんだ。

家族の支えほど、乳癌に勝ち抜くための力を与えてくれるものはない。私はそんなに怖くなかった。なぜなら一人ではなかったから。

女優 Edie Falco (エディ・ファルコ)
2003年に乳癌と診断される。2004年始めに治療を完了。

仕事に熱中するようにして、癌を自分の人生に入り込ませないように心がけることが大切。

デザイナー Betsey Johnson (ベッツェイ・ジョンソン)
2000年に33日間の放射線治療を経験。マンモグラフィの大切さを説く。

最も恐ろしい時は、手術後、医師から、全て悪い部分を取り切った、と言われるか、広がってしまっていた、と言われるかを待つときですね。そうならないように、マンモグラフィの重要性を強調しすぎることはない。

テレビニュースアナリスト Cokie Robert (クッキー・ロバート)
2002年に乳癌と診断される。乳腺腫瘍除去手術を受ける。

恐怖にうろたえてはだめ。死刑宣告とは考えないように。必ず方法がある。

歌手 Anastacia (アナスターシア)
乳管に癌があると診断される。乳腺腫瘍除去手術、乳房再建術を受ける。

もし癌が再発しても戦わずには沈没しないわ。

米国では、だれもが乳癌と闘う

米国では、乳癌患者は負けない。闘う。乳癌患者である本人たちが、他の乳癌患者のために、先頭を切って闘う。乳癌から勝ち抜いたサバイバーたちは、新たに乳癌と診断された女性のために、いつでも手を差し伸べる。また、健康な人々も、乳癌ウォーキングキャンペーンに参加して、歩き続ける。「何故 ?」 誰でも、乳癌のリスクがあるのだ。みんなで闘わなければ、いけないのである。そして一番大切なのは、定期的に検査を受けること、そして、疑わしいと思ったら、すぐに検査に行くことなのである。