数少ない商業代理出産が合法であるジョージア、ウクライナ、そしてロシアに集中し始めたところでコロナ禍が勃発、代理母から誕生した赤ちゃんを依頼者が迎えに行けない状況を作り出したと同時に、ロシアで代理出産から出生した赤ちゃんが死亡した事件をお伝えし、21年の春、ロシア議会は、外国人が代理出産を依頼することを禁止する法律を設定するように動き出しました。
前回は、ロシアは2019年12月の代理出産の赤ちゃん死亡事件問題で、関係者を逮捕し、2020年夏以降、コロナ禍で1000人近くの赤ちゃんが依頼者を待つ状態と併せて、ロシア政府は、代理出産取り締まりに着手したことを説明しました。
実は、このロシアの代理出産の取り締まりの背景の根拠は、ロシア大統領であるウラジーミル・プーチンの父親と母親によって形成される伝統的な家族の価値観にあります。代理出産が同性愛者の人生形成に利用されているため、代理出産の禁止は、同性愛者を攻撃する絶好の機会と見なしているためです。プーチン大統領はこの伝統的な価値観を守るべきであると唱えています。昨年、2020年にプーチン大統領は憲法を変えるための国民投票を行いました。 この国民投票の主な目的は、2024年以降も彼が権力を維持することでしたが、同性愛者の結婚の憲法上の禁止を含む措置も含まれていました。
2020年秋、ロシア当局は、代理人を雇ったロシア国民である独身男性を起訴し、子供を連れ去ると脅迫しました。 何人かの同性愛者の男性国民は、急遽、子供を連れてロシアから国外へと逃れたニュースが世界中で大々的に流れました。(次回は8月第1週号掲載)
当文献は創刊48周年を迎えるニューヨークの日本語新聞New York ビズ 2021年7月3日に掲載されました