お問合わせはこちら
Menu

<代理出産リポート3>
代理出産とは(3)~代理出産詐欺を作る環境~ ()

「代理出産が必要な当事者は赤ちゃんが欲しいという切実な願いがあり、藁(わら)にもすがる思いで方法論を模索しているため、この動機と情報の少なさを利用し詐欺を行う環境を作り上げている事実がある」ということを、前回=1月12日号掲載=のリポートでは、お伝えしました。

被害にあった後、弊社へのお問い合わせをいただくことが良くあります。よく耳にするコメントは”情報量が少ないので仕方がなかった“”相談する人がいない“”どこに相談すればよいかわからない“等で、”とにかく赤ちゃんが欲しいので騙されてもいい“とおっしゃる方もいらっしゃいます。

自己卵子を使用することが前提である場合、代理出産の依頼をする以前に、ご本人の生殖能力の検査を含めた体外授精を行うことが前提になりますが、的確なアドバイスなしに、まず代理出産契約のために海外まで渡航せよ、という危険なエージェントが存在するようです。代理出産は、代理母という第三者が介入する高額な治療です。重要な生殖医療の知識がないエージェントに依頼することは、誤った方法論を行う危険があるだけではなく、経済的にも全く無駄になり得るため、十分な配慮が必要です。

特に、お子さんが欲しい場合に必ず代理出産が必要であるロキタンスキー症の患者様や子宮がんで子宮摘出をなさった患者様の場合は特に的確な医療アドバイスが事前に必要です。子宮がないため、月経がないので、自己卵子を使用する場合は、体外授精の準備から通常の患者様とは方法が変わってきます。また、子宮がないことから、卵巣が通常ある位置から上昇していることが多くのケースで見られます。その場合、膣からの採卵が出来ないことも多々あります。更に、代理出産依頼に進む価値があるかどうかを判断する、卵胞数を診る検査や、体外授精のための排卵促進剤投与中の超音波モニターも通常の経膣からの方法が不可能なことも多くありえます。このような専門的知識が必要なことから考えても、代理出産の依頼時には、医療的知識は豊富であるか専門家を利用する必要があります。

(次回掲載は3月第1週号)

代理出産についてのどのようなご質問でもご連絡ください

当文献は創刊44周年を迎えるニューヨークの日本語新聞New York ビズ 2019年2月2日に掲載されました

代理出産とは(3)第三者が介入する高額治療だからこそ熟慮を 子宮がない患者なら特に医療の専門知識必要