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米国からの最新朗報:乳がんワクチン実現か? ()

クリーブランドクリニックとアニクサ社の革新的ワクチンの臨床試験結果が有望、女性の将来が変わるか?

ニューヨーク市のニュースチャンネルであるNY1が、先週(2025年10月14日)、画期的な乳がんのワクチン開発が進んでおり現実化することも近い可能性があることを報告した。当ワクチンは乳がんを予防するだけでなく、治療にも使用することを目的とする。

乳がんは、米国において、女性にとって、最も罹患率が高いがんであり、8人に一人が、人生で一回は診断されると言われている。日本においては、乳がんは女性にとって診断数ベースで「三大がん」のひとつとされている。

以前は乳がんの診断は最終宣告であったが、現在では、早期発見の診断が重要であるという社会的意識の高まりと治療の進化により70%のケースで死亡を回避できるようになったと、世界保健機関は統計を発表している。しかし、この罹患率の高さを考えると、有効なワクチンが出来れば、女性の運命を変える画期的な医学的進展と言える。

当ワクチンは、現在、クリーブランド・クリニックとアミット・クマー医師(アニクサ・バイオサイエンス、Anixa Biosciences, Inc.)の監督のもとで臨床試験が実施されており、アニクサ社のワクチンは、ヒトα-ラクトアルブミン(human α-lactalbumin)に対する免疫を与えるという仕組みになっている。α-ラクトアルブミンは、授乳に関連するタンパク質で、特定の種類の乳がんにおいて異常発現が見られる。当たんぱく質は授乳中の女性の乳腺でのみ作られるが、授乳をしていない通常の健康状態でも作られる異常発生を標的とし、正常組織を傷つけないようにし、腫瘍形成を予防する設計されているのがこのワクチンの構造である。

今までに多くの乳がんワクチンの臨床試験が行われてきたが、自己免疫反応などの理由で、まだ第Ⅰ相臨床試験(初期段階)を終えていない。

しかし、このアニクサ社のワクチンによるクリーブランドクリニックでの臨床試験の中間結果では、最も悪性度の高いタイプの乳がん患者のうち約70〜75%が、乳がん発症に関与する特定のたんぱく質に対して強い免疫応答を示し、残りの参加者も緩やかな免疫反応を示していることが確認されており期待されている。

最終的な結果は、クリーブランド・クリニックが、2025年12月11日に開催されるサンアントニオ乳がんシンポジウムで発表し、来年から第Ⅱ相試験に入る予定だという。当ワクチンは、赤ちゃんに授乳をする女性は接種できないとしている。

乳がんのワクチンやmRNAワクチン(新しいタイプのワクチンでメッセンジャーRMAの略。どんなタンパク質を作るかの指令を送る分子)の有望な研究が進んでおり、今後、5年~10年で大きな進歩が見られる可能性がある、と報道している。

さくらライフセイブアソシエイツは、世界中の女性が乳がんから自分の健康を守れるよう願い、乳がんに関する最新の知見や研究情報を米国の新聞を通じて継続的に発信しています。