お問合わせはこちら
Menu

最新医療レポート<着床前診断12>
より良い状態の卵胞を安全に採卵するためには ()

性染色体(男女産み分け)と22対の常染色体の着床前診断を成功させるためには(6)

naokos_column_419前回のリポートから、性染色体(男女産み分け)と22対の常染色体の着床前診断を成功させるためには、サイクル開始後に何が重要な点であるかを説明しました。排卵 促進剤の投与開始日には血液検査(FSH、E2、P4、LHの4科目)と内診することから始まり、排卵促進剤投与開始後は、緊密で適切なモニターが必要であること をお伝えしました。それは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を出来るだけ回避できるだけでなく、受精のためにより良い状態の卵胞を成長させ、最終的には妊娠に結び つかせるための体外受精の過程で重要な要素の一つだからです。

排卵前に起こる黄体形成ホルモン(LH)の急激な上昇を「LHサージ」と言いますが、女性の自然周期では、LHサージから約36~40時間後に排卵します。人工 的に成熟した卵胞に対して採卵を行うため、採卵を行うと判断した時点で、36時間前の最終仕上げであるこのLHサージを起こすHCGの投与を行います。この最終投与の最適なタイミングを間違いなく決定する ためにも、36時間後に採卵を行うという最適な時期を判断し決定するためにも、前回説明したように、患者本位に週末・休日も治療を行なっているクリニックを選びま しょう。医師の休みに合わせて、体のサイクルを調整しているクリニックがあるという報告もあります。

また採卵に向けての毎日の血液検査結果が、急激なE2の上昇を示しているときは、OHSSを回避するために、36時間前の最終仕上げであるこのLHサージを起こ すhCGの投与の代わりにルプロンを使用します。hCGの投与は更なるE2の急激な上昇を引き起こし、最終仕上げ時点ですでに2000~2500以上にE2が高く なっている患者様に関してはOHSSを引き起こすことになるからです。

これまで、より良い状態の卵胞を安全に採卵するためには、細かいモニターと適切な判断が必要であることを説明してきましたが、次回からは生殖医療業界における最 新の性染色体(男女産み分け)と22対の常染色体の着床前診断方法についてと、新しく報告されている体外受精サイクルを成功させる方法論について順を追って説明し ていきます。

Weekly Biz 2013年11月2日号:Vol.414掲載