ウクライナの保存標本をどうするか、戦場キエフ速報 2023年2月24日現在 キエフの不妊治療・代理出産の行方と不安定性
本日2月24日、2022年2月24日にロシアがウクライナに軍事進攻を開始してからちょうど1年を迎えた。2月20日に米大統領は、戦争が開始されてから初のウクライナ訪問で、世界を驚かせVolodymyr Zelenskyy(ウォロディミル・ゼレンスキー)ウクライナ大統領と会議が行われたが、戦争は今だ終結しておらず、ロシアに対する各国の制裁が価値があるものかが、世論では議論されているが、実際、戦争が行われているウクライナでの代理出産を含む生殖医療の状況はどうなっているかを報告する。ウクライナは代理出産が合法であるため、戦争が開始される以前に契約を実行している患者も少なくない。また、すでにウクライナの代理出産契約によって子供を授かり、余剰の受精卵、精子、卵子を含む、自己の標本を保存している場合もあり、多くの依頼者が、標本の安否、今後の治療の行方を探っている。その間も、標本の保存料は現在も課金継続されていることもあり、どう対処するかを考える時でもある。
<生殖医療クリニックの契約書が改訂されている> 関係者によると、キエフでは日常的に戻ってきており、生殖医療クリニックも通常通り営業している。しかし、生殖医療クリニックの契約書が改訂されている。
改訂は、戦争下による状況を踏まえた内容であり、2022年2月24日にウクライナがロシアから軍事攻撃を受け、戒厳令がキエフ市では発行されていることが明記されており、その状況下、不可抗力による状況が発生した場合は、生殖医療クリニックが契約上実行遵守すべきことが履行できなくても責任が負えない、というものである。自然災害、軍事災害、大規模な暴動やストライキ、電力の欠如、設備の損害、火災などを含む不可避、予測が不可能な状況下などを指す。これらを通知可能な場合は、適正な期間内にその事態を契約患者に連絡する、というものだが、つまり、不安定な戦下にあるウクライナ・キエフにおける治療は現在、現実的ではなく、不安定なものであることを示している。
不可抗力による状況が発生した場合は責任を取れない、ということは、治療全てについて適用され、例えば、保存されている受精卵、卵子、精子などを含む標本に関しても最悪の場合、破損、損失もある、ということを示唆している。保存している標本に関して、移動は現在、専門輸送会社によって可能であることから、今後の治療の展望も含め、移動したほうが良いかどうかを、各患者は再検証する必要があるだろう。
政治的な状況、各国の国内の治療に対する法的措置など、多角的、相対的に判断し、進める必要がある、と繰り返し、発信しているが、再度、専門的な眼で判断していくことが必要であることを強調したい。
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清水直子
さくらライフセイブアソシエイツ代表
ジェンヤ・イリーナ情報アナリスト
ロシア出身アメリカ人
さくらライフセイブアソシエイツパートナー
当文献、取材はジェンヤ・イリーナ情報アナリスト、さくらライフセイブアソシエツ代表清水直子によるものであり無断転載を禁ず。