方法論と3段階のリスクを理解する
2013年春に米国で業界初のエラー(誤り)が最小限の着床前診断、新型着床前診断(全染色体+男女産み分け)が導入されています。
まず、最初に、 日本ではPGD (着床前遺伝子診断) を、性別を特定するために行うことを禁じていることを確認していただきたく思います。日本で、着床前診断による産み分けの紹介をして欲しい、というお問い合わせが多いため、ここに詳しく書きます。
日本産婦科学会では、着床前遺伝子診断を、重篤な遺伝性疾患を診断する以外の目的には禁止をはっきり規定しています。不妊治療の一環の習慣流産の受精卵診断でさえ、現在時点ではこの条項によって認可されていないため、もし施術を行った場合は日本産婦人学会から除名という厳しい処置が行われているのは新聞等でご存知の通りです。
このPGD (着床以前の検査) は元来、染色体異常等の医学的見地から胎児を検査するために生まれた方法です。日本では元来、産み分け希望の方に使用されてきた男女生み分け法として、分 離試薬 (パーコール液) に精子を重層して遠心分離する方法が使われてきましたがこれも平成6年に産婦人科学会が 『当分の間、パーコール液の使用はしない。』 との見解を出しました。しかし、2006年4月22日に日本産科婦人科学会は“追試の結果、(男女の)選別できる科学的根拠がない”とし、また、“使用を 容認するものではない”という見解を明らかにしながらも禁止令を撤回し黙認へと決めました。それは、つまり、このパーコール法が使用によって副作用が起こ らない、などの安全性が確認されていることを前提に、着床前診断 (PGD)の産み分けのように男女産み分けが100%ではなく、男女の選別ができないのだから、倫理的な論議・混乱が起こるはずもなく取り締まるほどのこ とはない、ということでしょう。パーコール法は成功率70%とも75%とも言われいていますが、ここで理解していただきたいのは、
- 日本産科婦人科学会 はパーコール法は科学的根拠を持たない、と明確にしていること、
- 自然妊娠しても男及び女の確率は50%であること、です。逆に、PGDは100%確実に性別を分別できるため、日本ではPGDによる男女生み分けは厳しく禁止されているのです。アメリカでは、PGD (着床以前の検査) を使用した性別選択については法令化されていませんが、医師間で論議があります。その判断は、医師の倫理観念や思想を基に、その不妊クリニックのガイドラインを設定しています。米国東海岸は、保守的で、西海岸は比較的緩やかな傾向にあります。西海岸では患者様に対して広い選択肢を持たせることがなぜ悪いのか、と積極的に性別選択を助けているクリニックもあれば、男女という性別において甲乙をつけるということでなく、第2児目以降を1児目の性別と反対の性別 を希望する、という男女平等を尊重した立場からの産み分けならばお手伝いする、としているクリニックもあります。
さくらライフセイブアソシエイツは、日本医師の採る立場、及び、米国医師の採る立場を賞賛するのでも否定するものでもなく、情報を提供することにより、患者様が多くの選択肢を知ることによってより良い人生の選択を行えることをお手伝いしているに過ぎません。
産み分けに関しては3つのリスクがあります
- 望む性別を儲けられるか
- 望む性別の受精卵に関するリスク
- 妊娠に関するリスク
第1番目のリスク:望む性別を儲けられるか
1つ目が、性別選択に関するリスク。欲しい性別を獲得するリスクです。方法は3種類あります。
- PGD (Preimplantation Genetic Diagnosis) 着床前遺伝子診断
ほとんど100%の成功確率で男女の産み分け可能 - MicroSort マイクロソート方式
女子は比較的高い確率 (90%)、男子は76%
Ericsson Method エリクソン方式 以前からある古典的な方法、ほぼ50%-50%の成功確率
Microsort (マイクロソート) は、元来、家畜の精子を振分けるために発明された技術です。DNA用の染料によりX染色体の精子とY染色体の精子をそれぞれ振り分けます。マイクロソート を利用するほとんどのカップルは不妊の問題もなく、通常の人工授精を行います。しかし現在、このマイクロソートによる男女の性別選択の成功率は、100% からほど遠いと言えましょう。また、FDA(米国食品医薬品局) の認可も下りていません。Microsort (マイクロソート) は基本的にIVFを伴わずに行うため、コストもかなり抑えられます。その分、性別選択の確率も、妊娠の確率もPGD + IVFと比較したら比べものになりません。PGD (+ IVF) を選べば欲しい性別は、100%です。
第2番目のリスク:望む性別の受精卵に関するリスク
2つ目のリスクはPGDを選んだとして、卵子を採取して、精子をかけたときに 欲しい性別の受精卵ができない確率です。たとえば、卵子が3つしか取れなかったとします。 (通常は薬を服用・注射することにより十分に作用して採取も問題なくできます。多い人で17個取れる方もいます。) そこで受精卵がすべて欲しくない性別の受精卵の場合はありえます。又、PGDを行う場合、胚盤法培養を適用します。この胚盤法培養とは、受精の日を起点に し、次の日をDay1と数え、Day5、つまり5日目に子宮に受精卵を戻すことですが、採卵後、精子と受精を試みたあと、5日間、受精卵が正常に分割、つ まり成長していくかどうかも、考慮に入れる必要があります。順調に成長し、更に、欲する性別の受精卵である必要があるのです。
第3番目のリスク:妊娠に関するリスク
3つ目のリスクは妊娠しないリスクです。 以上 3つのリスクがありますが、すべて、医師の不備から起こることものではなく、確率の問題で、各患者様の状況や運にもよります。しかし、なるべくその確率を 確実に近づけるためには、優秀な医師の管理の下、きちんと説明を受け、プログラムが行われることが大切です。さくらライフセイブ・アソシエイツでは、カル フォルニア州でPGD (着床前診断) のパイオニア (先駆者) であり、長年プラクティス (医療行為) を行っている優秀なパートナーたちが設立した第三者介入が関わる不妊治療 (卵子提供者による不妊治療や代理母) で世界的に有名なロサンジェルスのクリニック、及び、全米で不妊治療において最高水準を誇り業界では体外受精の妊娠率がトップとされる(この体外受精は男 女産み分けの着床前診断には必要なプロセスになります)ニューヨークのクリニックと提携し日本のクライアント様にご紹介しています。ご興味のある方はさくらライフセイブアソシエイツまでお問い合わせ下さい。