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キーウ現地視察速報(1)戦場ウクライナ代理出産検証-危険で非現実的 ()

ウクライナでの代理出産依頼は危険で非現実的である

2024年7月8日、とうとうキーウ(キエフ)市内の大小児病院ミサイル直撃、43名死亡>

本日、筆者が4月に現地視察を行ってから懸念していたウクライナ側が防御できかねていたロシアミサイルがウクライナ首都、キーウ(キエフ)中心部を直撃した。キーウ(キエフ)市中心部にある小児大病院、Okhmatdyt hospitalが爆破され少なくとも43名が亡くなり149人が負傷した。当小児病院はキエフの中心的存在であるメイダン独立広場から車で15分の場所にある。筆者は4月に別件でキーウ(キエフ)入りし、現地視察を行い、ウクライナでの代理出産依頼は非現実的である、と判断していたが、この検証は間違っていないことが、この数か月のロシアによるミサイル情報と今日の爆撃で確証を得た。まさに戦下であるウクライナの危険は、ロシア・ウクライナ国境である戦場の中心である東部のみでなくキエフ市まで襲っている。いまだに弊社、さくらライフセイブアソシエイツにも、日本からの問い合わせで、ウクライナでの代理出産について質問を受けたり、代理出産依頼の場としてウクライナを検討、及び、契約を実行していることを耳にすることがあるが、あえて戦場である場所を代理出産依頼国として選択することは分別がなく、危険であることを理解するべきである。当レポート(1)では、いかに戦下であるウクライナに入国が困難でリスクが伴うこと、を説明し、次回レポート(2)では、ロシアからのミサイル攻撃についてのキーウ(キエフ)の状況の視察内容、及び、キエフ在住のビジネスパートナーらからの情報を別途に説明する。

<全空港閉鎖のウクライナへ陸路で入国>

現在、ロシアと戦下にあり旅客機が発着していないウクライナに、30時間かけてポーランド首都ワルシャワ経由で入国し、キーウ(キエフ)の視察を行った。戦下でもウクライナ入国自体は可能である。しかし陸路で国境を越える必要があり、ベストの路線はポーランドのワルシャワから入る方法で、3つの交通方法、バス、カーサービス、鉄道(寝台車)があり、ワルシャワからは15時間から20時間かかる。往路(ワルシャワ~キーウ(キエフ))は、比較的国境を通過しやすいが、復路(キーウ(キエフ)~ワルシャワ)は道路使用の場合は、国境のポーランド入国審査に最低でも3時間かかり、最低2日の移動を予定する必要がある。ポーランドがウクライナからの物流を制限していることから驚くほどの長いトラックの列が国境の道に並ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<ウクライナへ陸路入国詐欺が横行>

最も快適なカーサービスを選択する場合も、法外な料金を取る詐欺的なカーサービスや廉価を謳い先払いで料金を取りドライバーは現れないケースが多発しており、正当に旅程を組み立てるのは並み大抵のことではない。厳戒令が出されているウクライナでは、通行できない時間や道もあり規制を知っている必要もあると同時に、成人男性はウクライナから出国が不可であるため、国境を越えることが可能である許可証を持っているドライバーである必要がある。ワルシャワからレンタルカーを借り自分で運転し、国境を越える選択肢は、ほぼ不可能である。現在、ポーランド側では戦争国であるウクライナへ行くことを告げると、保証担保としてレンタカー価格同等の料金のデポジットを課金する。何か起きた場合には責任問題になるため、正当に告げる必要がある。

<ウクライナ~ポーランド間の入国管理が厳しく戻されるケースも>

また、ウクライナ~ポーランド間の国境の入国管理、及び、税関が非常に厳しい。オフィサーによっては車内を徹底的に調べ、止める場合もあるので、受精卵などの冷凍細胞の輸送も保証はない、と感じた。我々が国境を越えるときに、入国管理センターの駐車場で国境を越えることを却下された人とも出会った。

<ウクライナの代理出産、いまだに継続か>

世界で、合法に代理出産を行える国が少なくなってきている中、米国と比較して廉価で代理出産が合法であるウクライナは、代理出産依頼者が向かう数少ない国の一つであった。ウクライナは、2007年11月にウクライナ法務省による家族法で代理出産が合法化されていたが、2013年くらいまでは、現在、外国人は代理出産の依頼は法的に不可になっているインドやタイに集中しており、ほとんど知られておらず、利用もあまりされていなかった。実際、弊社、さくらライフセイブアソシエイツと世界代理出産ネットパートナーとが、首都キエフで片手で数えられるほどの少数の代理出産専門の弁護士を探し、外国人向けの代理出産プログラムがなかった2014年に、ウクライナでの代理出産プログラムを初めて系統立って確立させた。2020年のパンデミックが勃発するころまでには、合法性と廉価が魅力となり多くの斡旋会社が流入し、代理出産ビジネスブームを巻き起こしパンデミック時には渡航できない依頼者の迎えを待つ赤ちゃんのベッドが並ぶニュースで話題を呼んだが、その後、2022年2月にロシアとの戦争が開始された。当初は、多くの代理母が安全な環境を確保するためにポーランド、スロバキアに移動した。弊社のパートナークリニックらも、冷凍保存細胞を液体窒素タンクに詰め込み、車で、ポーランド、スロバキアに安全保存のために急遽移動する対処を取った。2023年からにクリニックから標本保存の課金連絡が弊社クライアントにも来ており標本はキーウ(キエフ)のクリニックに戻っている。弊社は戦下の地での治療は危険で現実的に入国も儘ならないため、標本の移動を勧めてきている。

<キーウ(キエフ)は健在に見えたが戒厳令で制約、門限あり>

戦争は全く解決する方向が見えず、毎日のようにアメリカでは新聞に悲惨な爆撃された写真が掲載されているが、キーウ(キエフ)自体は、ほぼ通常の生活に戻っていた。弊社パートナークリニックらは、通常の業務に戻っていた。しかし、キーウ(キエフ)市では戒厳令が制定されており、行政的に大きな制限がある。成人ウクライナ男子(18歳から60歳)は出国不可で、いつでも徴兵される用意がある必要がある。また、門限とそれに関わる道路(キーウ(キエフ)市)規制(運転制限)が設定されている。ホテルからの滞在客へのレターでも午前0時から朝5時までの外出不可の門限について通知され、我々が滞在した4月のレターでは、2024年5月13日までの厳戒令とあるが、本日、7月9日にキエフと確認したところ、以前、厳戒令は解かれていない。

キーウ(キエフ)市内ホテルの門限通告レター

次のレポートでは、ウクライナで代理出産を依頼することが危険であることを理解するために、今日のキーウ(キエフ)へのミサイル襲撃が予見できたキーウ(キエフ)の状況を説明する。