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インド代理母出産のためのメディカルビザ(医療査証)と 新代理出産ガイドラインの不完全遵守が招いている混乱と懸念(1)
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日本人の患者様から、インドでの代理母の規制変更に関する正確な情報が日本には発信されていない、という不安の声が多く届きます。さくらライフセイブアソシエイツでは、大切な情報が日本人の患者様が理解できるように全く開示されていない、という事実を懸念し、日本人の患者様が正確な判断が出来るように、さくらライフセイブアソシエイツが入手しているインド政府・インドの代理母クリニック団体からの情報・書類の開示に努めています。

 

代理母依頼者の半数以上を占めていた同性愛者は タイ、メキシコに移動
欧州の同性愛者のための代理母サポートグループの法務委員会の弁護士よると、今回のインドの代理母のためのメディカルビザ(医療査証)の申請の資格がない同性愛者依頼者は、全ケースに関して、インドでの代理母治療の停止、そのうち、30%は状況把握のために申込金・治療費をインドクリニックに残したまま様子見、70%は冷凍保存してあった受精卵、精子の移動をすでに開始、もしくは完了した、と言う。移動先は、タイとメキシコ。

欧州の同性愛者依頼者たちが、インドでの代理母治療の停止をし状況把握のために待機していた大きな理由は2つ。一つは、クリニック側から状況が変化する流動的な状態であるため最低5月末までは待って欲しい、という申し出によるもの。2つめは、5月の時点で代理母のためのメディカルビザ(医療査証)の要件である“独身者は不可”が、緩和される可能性があるという政府の動きから、同性愛者依頼者にも関わる緩和がありえるのではないか、という希望的憶測によるものである。

インドでの代理出産依頼は日本人は不可
日本人依頼者に関しては、インドの代理母のためのメディカルビザ(医療査証)の申請のための提出要件(日本政府からの代理母使用に関する書簡)が揃わないために申請、取得は不可。これは、緩和される見通しはまずない。(代理出産メディカルビザ(医療査証)規制以外の深刻な問題参照)

また、日本人依頼者にとっては、代理母のためのメディカルビザ(医療査証)だけが問題ではなく、代理母から出生した子のための日本が必要としている合法な出生証明書が取得できなくなったことが、インド代理母専門弁護士より6月中旬に発覚したため、双方向でインドでの代理母出産は不可であることは前のレポートでお伝えした通りである。

インド大手主要クリニックに最終的な動きが出てきた
しかし、ここで両グループに対し、最終宣告的な動きが大手クリニック側から出てきた。いままで、流動性のある状況から待っていて欲しい、としてきたクリニック側が、代理母に関する規制は確立に向かうものであり、政府からの監視は厳しくなるとし、希望的観測に見切りをつけて返金するしかない、と最終決定がなされたようだ。

2013年3月に当メディカルビザ(医療査証)の施行が開始される直前の今年初めまでは500億円代理母市場とされたインドが、デリーやムンバイの大手クリニックでは、3月を境にビジネスが20%に低下した。(インド代理母クリニックビジネス80%減参照)大手クリニックは、現存のすでに契約済みの依頼者に関してはどうにか代理母契約を続けられるかどうかを見守ってきたが、緩和の動きはなさそうだ、と見極めを行なったようだ。近年インド代理母ビジネス市場は徐々に右肩上がりだった。代理母についての制約も規則もなく、同性愛者も世界中からインドを目指した。同性愛者からの依頼は代理出産市場のほぼ半分を占めていた、と目算されている。徐々に契約数が上昇することにより、設備投資を行なったクリニックも少なくない。小児科を併設したり、代理母管理診察室を拡大したり、という動きが去年も活発に見られた。その矢先の代理母規制で、大手クリニックが受けた経済的打撃は非常に大きい。

インド代理母業界の混乱、懸念、そしてインド政府の取り締まり強化
しかし、ここで情報の普及の温度差、新しい規制に対する遵守のばらつきが生じていることが話題になり始めている。2013年3月6日付けでFRRO(Foreign Regional Registration Office、外国人登録所)はニューデリー、及び、ムンバイの代理母治療に関わる大手主要クリニックに書簡を送り、そこには代理母目的のビザ(査証)はメディカルビザ(医療査証)であり、ツーリストビザ(観光査証)は代理母目的には適当なビザ(査証)ではなく、メディカルビザ(医療査証)を持たない患者を、患者として受け入れてはいけない、この規定に抵触する者は、法的処置が取られると書かれており、つまり、遵守しなければ罰せられることを伝え、徹底を指示している。

これらのビジネスへの打撃を免れない大手クリニックは、当規制に反対するためにグループを形成し政治家に抗議するなど運動を行なってきた。と同時に、不満、憤慨、懸念を抱え、経済的ロスを毎月計上されながらも、それらのクリニックは政府からの指示を否応なしに遵守してきている。多くの世界中の依頼者もクリニックからの指示に立ち往生し、大きな打撃を受けてきた。

しかし、このメディカルビザ(医療査証)の施行が開始された2ヶ月後の2013年5月10日、米国の国営チャンネル(PBS)で、アメリカ在住のインド代理母エージェントが“インドの規制は徹底されていない。クリニックによってはこの政府の規制には従っていない”とメディアインタビューで話し放映された。また、日本では、インド政府が世界のインドビザセンター公式ホームページ同様、在日インドビザセンターの公式ホームページに、メディカルビザ(医療査証)の必要性を明記している事実があるなか、日本の患者間でも、インドのクリニックにより当規制に関する対応が違う、と話題になり始めた。日本の外務省、在インド日本大使館への問い合わせ、在日インド大使館への問い合わせ、インドビザセンターへの問い合わせが増え始めた。

この温度差に驚き、解せないと狼狽しているのは、政府からの規制を遵守して返金を開始し始め、経済的に打撃を受けながらも規制を遵守している大手クリニック、ドクター群である。

この代理母に関わる新しいガイドライン(メディカルビザの必要性、及び、代理母に関するプロセスの取り締まり)の不完全な履行遵守と不均衡な普及という事実は、次第に表面化し始めており、混乱を招いている。この混乱が、更なるインド政府の厳しい取締りを誘発しているそうで、FRRO(Foreign Regional Registration Office、外国人登録所)も、どのクリニック・エージェントがどのように対応しているか把握し始めている、と言う。また、インド政府(代理母に関する規制を発布しているMinistry of Home Affairs:内政省とビザなどを司り発行を担当しているMinistry of External Affairs:外務省)は更に取り締まりを強化しているとインド人関係者から2013年6月26日付けで報告が入っている。インド政府は、メディカルビザ(医療査証)の申請のためには担当クリニックの医師からの書簡を必要としていて、その際に、当外国人が使用しているエージェントの名称も明記する必要が出てきた、と言う。在インド日本大使館も、インド政府の代理母関連の動きを把握しているということで、対応が厳しくなっているという情報が入ってきている。

政府から発せられた規制が医療関係者内でも完全に遵守されず、このような温度差が発生するのはやはりインドならではなのだろうか。不公平に経済的な打撃があることから、まだまだ混乱と告発が続きそうである。そうすると取り締まりは更に強化されるであろう。

インド政府が代理母に関して規制を発し動きだした以上、現在その規制が徹底されていないとしても、いつどのような対処・問題が起こるかも不明である。人権が関わっているだけに、2008年夏に起きたマンジ事件(依頼者夫婦が離婚したことにより母親の欄が空欄になりいかなる国籍の取得、及び、日本帰国が難しくなった山田マンジケース)にような窮地に追い込まれるような事件が、インド政府の代理母規制を無視することにより、日本人間で起きないことを願う。問題が発生し露見することにより、本当に代理母を必要として、インドを断念し他国で挑戦している日本患者にも影響を及ぼす可能性があるからである。

最新情報(2013年7月4日現在):
インドの関係者からの最新情報によると、インド政府の代理母出産の規制取り締まり状況は更に厳しくなっていると言う。出国時に、代理母から代理出産で誕生した新生児のための出国査証取得に訪れるFRRO(インド移民局管轄外国人登録事務所)では、 Ministry of Home Affairs:内政省からの指令により、代理母治療・代理母契約に関わったクリニックから依頼者に関する書簡を新たな必要書類リストとして加えた。

また、7月4日現在、代理母の名前を出生証明書に使用できない、という規制は今だ法律化していないが、 ニューデリーのFRRO(インド移民局管轄外国人登録事務所)で問題視されるようになってきているという連絡が本日(7月4日)届いた。

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