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白血病新治療:改造T細胞治療に大きな期待
重病者が寛解達成 ()

治療方法は尽きたと宣告された急性リンパ性白血病の6歳女児を含む9人の患者が寛解達成

2012年12月8日から11日に米国アトランタで行なわれた第54回米国血液学会にて、ペンシルバニア大の科学者が、有効性が見られた臨床報告をもとに画期的な白血病新治療の可能性に関する発表を行なった。自家改造T細胞(キメラ抗原受容体細胞)による免疫療法において、9人の白血病の患者に有効性が見られ、将来的には、高価でしかも危険を伴う骨髄移植に代わる治療として注目されている。

ペンシルバニア大の科学者の発表によると2人の子供の患者を含む12人の白血病患者に対し2011年から臨床試験が行なわれた。患者らは急性リンパ性白血病(ALL)及び、慢性リンパ性白血病(CLL)に罹患していた。従来の治療法である化学療法、幹細胞移殖を繰り返し、全ての治療法が試され、残された方法がないとされる白血病患者も当治療法により癌の消滅を確認している。患者から自己のT細胞を取り出し、癌を攻撃する新しい遺伝因子を注入し改造した細胞を当患者静脈に戻し、順調に機能すれば癌の破壊を開始する。つまりプログラム化されたT細胞が、白血病に悪性化する正常な部分のB細胞を攻撃する。この改造T細胞は、ほとんどのB細胞表面上に見られるCD19と呼ばれるプロテインに向かって進む。当治療から効果が得られる場合は、治療時に当患者から激しい反応が見られると言う。

2人の子供のうち、7歳になる女児の成功ストーリーが2012年12月10日のニューヨークタイムズ一面に紹介された。2010年、5歳のときに急性リンパ性白血病を発病した女児は、2クールの化学治療も甲斐なく、6歳のときには残された方法論はないとされ死が迫っていたと言う。2012年の春、フィラデルフィア小児病院での臨床試験である治療を探し当てたときには、この臨床試験は以前小児患者に対しても、彼女が罹患している種類の白血病にも適用された実績はなかった。この治療自体によって、女児は打撃を受け衰弱したように見えたが、これは治療が効果がある証拠であった。治療後7ヶ月経過した現在、完全に寛解し、当治療の初の小児患者成功例となった。

この女児以外には3名の慢性白血病の成人患者が完全な寛解を達成、他4名の成人患者は改善はしたものの完全な寛解は達成しておらず、当治療を受けた全ての患者に効果が出てはいない結果報告がなされている中、医学会では当治療の報告は、重大な発見であり、今後も注目される治療である、と評価されている。まだ当治療の確立には初期の段階ではあるが、全く治療法がないと絶望していた患者にとっても希望をもたらしていることも事実である。

研究者らは、今後この治療は白血病のみならず乳がんや前立腺がんにも適応できるのではないか、と話している。

当治療に類似する方法論は、メモリアルスローンケタリング(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)、米国国立癌研究所 (NCI)でも行なわれている。メモリアルスローンケタリング(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)のDr. Sadelainは、患者本人からの改造T細胞は生きた薬である、と讃えている。つまりこの改造T細胞が血液中に廻り、がん細胞と戦ってくれる、そして、成功例に見られるように、治療数年後に至るまで、この改造T細胞が体内で継続して活躍してくれるからである。

更なる研究・調査・分析を経て、当治療の確立を待ちたい。