お問合わせはこちら

卵⼦提供・代理出産の講演お知らせ
11月に東京で開催

Menu

最新医療レポート<着床前診断4>
不妊で体外授精を行なうには適切な管理が不可欠 ()

性染色体(男女産み分け)と22対の常染色体の着床前診断の落とし穴

米国最先端臨床現場から-最新医療レポート<着床前診断13>アジアの発展途上国における着床前診断治療からの教訓その3
廉価な医療には危険が伴う:卵巣過剰刺激症候群
前回のレポートでは、性染色体を含む23対の染色体異常を調べる着床前診断を望む場合、生殖機能は健康で不妊という問題がなくても、体外にて受精卵の生体検査を行なうために体外授精の過程を踏む必要があること、そして、体外受精本来の命題である自然妊娠が難しい不妊のために行なわれる体外授精ではないため、特別な適切な処方・投与が必要になる、とお伝えしました。不妊のための体外授精を行なう患者様が適切な管理のもと治療が行なわれるのと同様、もしくは それ以上に注意が必要です。

廉価な着床前診断を求めてアジアに渡航した患者様から、この数年、弊社に多くのお問い合わせが届いています。多くのお問い合わせで、卵巣が腫れあがった結果、胸下まで腫れが上がってきて痛み苦しくて動けなかった、呼吸困難に陥った、ホテルで誰にも連絡が取れず一人で苦しんだ、と言う内容です。まさにこれは、上記の必要医療過程が怠った結果の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼ばれるものです。

性染色体を含む23対の染色体異常を調べる着床前診断を望む生殖機能が健康な女性が、体外受精のための専門医の管理のもとに一連の薬を処方されるべき過程 を無視し、必要な検査なく軽率に投与を行なうことは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)により罹る可能性が非常に高いというリスクを知って適切な治療方法を 決断すべきです。

では、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは何かを説明します。体外受精を行なうためには、そのサイクル(月)で、2つの卵巣に見られる全ての卵胞を排卵促 進剤によって刺激し成長させ、成熟した時点で、麻酔下にて採卵を行ないます。この排卵促進剤で過剰に刺激される症状を総して、卵巣過剰刺激症候群 (OHSS)と呼びます。通常の投与中でも、薬によって人工的に卵巣を刺激するため、卵巣が大きくなり通常の服のウエストがきつくなることも多々あり、卵 巣の腫大自体は次第に解消されますが、大量の腹水や胸水の貯留が起こると、血管内の水分が減少し血液が濃縮されます。このように、症状は余り問題にならな い軽度なものから非常に危篤な大事に至ります。次回は、更に詳しく卵巣過剰刺激症候群(OHSS)について、説明いたします。

Weekly Biz 2013年3月2日号:Vol.382掲載