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最新医療レポート<出生前診断18> 妊娠第1期:ファースト・トリメスタースクリーニング検査から更なる精密検査である出生前診断へ(3) ()

遺伝子異常に関わる1000以上の疾患が分かるようになる日も


Sakura Lifesave20170401
前回(3月4日号掲載)までの5回、現在、妊婦、及び、妊娠しようとしている人たちにとって懸念となっているジカウイルス(ジカ熱)について、リポートしてきました。今回から、出生前の検査に戻ります。

ファースト・トリメスターの簡易な出生前スクリーニング検査については既に説明しましたが、今回からは、そのスクリーニング検査で染色体異常の可能性が示唆された場合に、更に指摘された異常について精密に正確に調べることができる出生前診断について説明していきます。この領域は、テクノロジーの進歩によって近年大きく変わってきています。

今回はまず従来から行われてきている非常に信頼性の高い二つの出生前診断の方法のうちの一つである絨毛(じゅうもう)検査(CVS)について説明を開始します。もう一つの出生前診断の方法である羊水検査(アムニオセンテシス)は時期が少々遅くに行われ、妊娠第2期であるセカンド・トリメスターで行われるため、後で説明いたします。

絨毛検査は妊娠時の10週目から13週目の間ぐらいに行われます。通常16週以降に行われる羊水検査より早く、ファースト・トリメスターに実施可能であり、結果も早くに出ることがこの検査の有利な点です。早くに分かることは、結果に問題があった場合に中絶を考える方にとっては有益です。中絶は、妊娠が進行すればするほど母体にとって負担がかかるためです。

絨毛検査とは、胎盤から少量の絨毛を採取し、染色体異常を検査する方法です。絨毛採取は後で説明する羊水検査ほど深く針を刺さないで行われます。現在では、この絨毛検査ではダウン症、テイ・サックス病、鎌状赤血球貧血症、及び、ほとんどの嚢胞(のうほう)性線維症の存在を発見することに使用されています。また、家族に特定の遺伝子疾患が分かっている場合や両親が特定の遺伝子疾患のキャリアであることが分かっている場合は、当該遺伝子疾患について調べることがほぼ可能です。今後は、この絨毛検査によって遺伝子異常や染色体異常に関わる1000以上の疾患が分かるようになる日が来る、と言われています。

次回も、継続して絨毛検査について詳しく説明していきます。